志賀高原池めぐりと木戸池キャンプ

志賀高原は冬場のスキーのメッカ。所在地は長野県下高井郡山ノ内町志賀高原だ。
つい先日噴火した群馬県草津町白根山本白根山がすぐそばだが、山好きにとっては観光地のイメージが強く、なんとなく掴みどころがない。
先週の笠取山とは逆で、田中澄江の「新・花の百名山」には選ばれていないが山と渓谷社「花の百名山登山ガイド」(1996年版)に載っているので、一度は自噴泉や湿原のあるこの山並みを歩いてみたいとは思っていたけれど、なんとなくモティベーションが湧かなかった。
噴火があったし、通行止めは覚悟の上で、もし長野県側から噴火の状況を観察が出来たら興味深いかもしれないから、避暑を兼ねて訪ねてみることにした。



テントとキャンプ用品一切を積み込んだ愛車で昨日(7月18日(土))の朝5時20分にとろとろと自宅を出発した。
予想通り 、白根山周辺は通行止めで近寄ることはできなかった。
でも観光地化されたイメージとは別の、本来の厳しく、やさしく、美しい志賀高原の自然の姿に接する機会となった。
志賀高原はいたるところにリフトやロープウェイがある観光地で、歩かずに行ける最高峰の横手山の頂上には日本一高い場所のパン屋さんや洒落たレストランが有名だ。高原を貫く国道292号沿いには大きなホテルや温泉宿が並ぶ。しかし、一歩森に踏み込むと、透明度の高い池や湿原のある神秘の世界がひっそりと佇んでいた。
今回は初めてなので前山リフトを利用して、高原の名前になっている志賀山に登り、点在する池を眺め四十八池と名のついた小さな湿原を休み休み4時間かけて歩いた。




志賀山の頂上に至る登山道は予想外の急登で、空腹のまま登ったので久しぶりにシャリバテした。道はところどころ荒れていて標識も朽ち果てている個所があり、これだけの観光資源が活かされていない気がして残念だった。
登山道から見下ろす池が美しかった。珍しくクマザサに花が咲いていた。
降りてくるともう夕方になってしまい、あとは緑白色の熊の湯温泉で汗を流し、温泉近くの木戸池キャンプ場でまったりキャンプを楽しんだ。

(クマザサの花穂)

オミナエシ

意外なことに、志賀高原にはキャンプ場が木戸池と山田牧場の二ヶ所しかない。
泊まった木戸池は近くの温泉ホテルが管理するキャンプ場で、トイレはホテル前の公衆トイレを利用する。頻繁に車が走る国道沿いの、水場が一ヶ所あるだけの簡素なキャンプ場は大きな白樺の樹とフサフサの草が生えた気持ちの良い場所だった。テントは全部で七張りだった。夜は静かで、予想外に冷え込みが厳しく夏用シュラフでは少し寒いくらいまで気温が下がった。
今朝は朝靄の向こうの笠ヶ岳に雲がたなびいていた。日が昇ると青空に筋雲が広がり秋の風情となった。
帰路、草津への道が通行止めなので景色を眺めながら迂回路の万座に至る有料道路を走り、嬬恋高原の道の駅で野菜を仕入れて、東京周りで帰宅した。帰宅時間は12時45分だった。